郵便の新サービスを考えるアイデアソンを開催

まずは、会場であるサムライインキュベートの木曽氏による施設のご案内。
ここは起業しようとする若者が集い、化学反応を起こす「場」として運営されています。
さて、今日はどんな化学反応を見られるでしょうか。

アイデアソンとは

アイデア(Idea)とマラソン(Marathon)を掛け合わせてできた造語で、イベント毎に設定されたテーマに沿って数名でチームを組み、対話を通じて、新たなアイデア創出やアクションプラン、ビジネスモデルの構築などを短期間で行うイベントを「アイデアソン(Idea-thon)」といいます。

弊社取締役社長の佐藤によりネット(仮想空間)と印刷・投函(現実)を融合させたデジタルポストの可能性や、今後あらゆるAPIと組み合わせることで革命を起こす!という力強いメッセージと共に幕開けです。

その後、取締役の長岡によるPAPIRSの説明ののち、次のお二方に登壇いただきました。

第一部:講演

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ(Twilio)の小出氏の講演

APIとはブロックの1つの部品みたいなもの、多様な部品を組み合わせることで、面白いものができる、という導入にはじまり、Twilioはネットと電話をつなぐ部品、との紹介がありました。
実例として会場を一瞬にして抽選会場にしてしまうデモで、ネットとリアルの連携をわかりやすく実感!場が盛り上がりました。
APIを知らなかった方も、ワクワクと納得を両得できたお話でした。



日本郵便株式会社の西村氏の講演

日本郵便のあらましや、規模感(全国の郵便局の座標をプロットすると、日本地図ができあがってしまう、というのはビックリ!)を簡単に説明下さった後、現在、郵便とデジタル化について取り組んでいる事業内容をプレゼンしていただきました。
「固くて真面目で古い」そんなイメージが払拭されるような郵便事業の取り組みの数々に、「こうしてはいられない!」時代の変化を感じた参加者も多かったのではないでしょうか。

第二部:アイデアソン開始

そしていよいよ、参加者によるアイデアソンのスタートです。
テーマは、「新しい郵便サービス」の提案です。

アイデアスケッチ


各自のアイデアを大きめの付箋紙に書き出し、ホワイトボードに貼り出します。
今回、各個人によるプレゼンタイムは設けられていないため、自身のアイデアをいかに分かりやすく簡潔に書き、興味を持たせるかがポイントとなります。
10分という短時間にも関わらず、参加者からはどれもユニークでクリエイティブな発想が提案されました。

投票&アイデア選定


参加者は貼り出された全員分のアイデアの中から興味のあるものへ投票し、得票数の多い上位4アイデアを採用します。
この後はチーム対抗戦となるため、各々が投票したアイデアの元に集い、人数調整をしながら4チームに分けます。

ブラッシュアップ


熟考時間は60分。どのチームも想像以上に白熱した議論が行われている様子がうかがえました。
初対面の人とも濃密なコミュニケーションやディスカッション、共同作業を行えることがアイデアソンの醍醐味ともいえるでしょう。

第三部:プレゼン大会

チームごとの最終プレゼンテーションに入ります。
各チーム、練りに練った素晴らしい案を所定時間10分で発表していただきました。

感謝の気持ちを最期に <チームA>

ありがとうの紫ハガキ

自身の他界を友人たちへ通知するサービスです。

まずは「ありがとうの紫ハガキ」と題した、自身の他界を友人たちへ通知するサービスです。

概要としては、Web上で事前に利用登録およびメッセージを作成、利用者本人が死亡した際、遺族によるアクティベーションがされてから、友人へ紫色のメッセージカードを郵送するというものです。
また、メッセージカード上のURLより故人が生前に作成したメッセージ等のコンテンツを見ることができます。

コンテンツにはオプションでギフトの追加、送付リスト作成はコンサルタント依頼を可能とするなど、課金ポイントもしっかり押さえたアイデアとなりました。
集客はかんぽ生命との提携を提案しているあたり、審査員へのアピールもばっちりです。

日本に新たな文化を! <チームB>

Thanksgiving Day~“ありがとう”を言葉と形で贈る

続いては、毎月23(ふみ=文)日に、感謝の気持ちとしてメッセージ付はがきを贈るサービスです。

アメリカの「感謝祭」から着想し、「家族友人に感謝する文化を日本に」という思いを込めて「Thanksgiving Day」をそのままサービス名にしています。
まず利用者が、アプリで写真と音声付きメッセージを作成すると、PAPIRS連携で写真付はがきが宛先へ郵送されます。
受取人が届いたはがきに記載されている電話番号へかけると、Twilio連携より音声メッセージを聴くことができるというものです。

はがきと音声メッセージを掛け合わせて送ることで、より一層気持ちを伝えることができます。またアイデアソン審査員である2社のサービス(PAPIRSとTwilio)両方の利用を想定したサービスを考えてくれました。

いつでもどこでも年賀状管理 <チームC>

どこでも年賀

次は「どこでも年賀」という、帰省先でも自宅に届いた年賀状をチェックできるサービスです。

せっかく年賀状をいただいたのに、正月三が日中にお返しができないもどかしさは、誰しもが一度は経験したことのあるのではないでしょうか。
このサービスでは、帰省先から携帯アプリで不在時に届いた年賀状をどこからでも確認することができます。

誰から届いているかわかる差出人情報はもちろん、サムネイルも表示して確認することができるので、年賀状に書かれている文章の細かいニュアンスや写真を把握することができます。

しゃべるハガキ? <チームD>

つなガキ~しゃべるはがき~

最後は「つなガキ~しゃべるはがき~」という世代間のコミュニケーションのすれ違いを郵便によって解消するサービスです。
なお、「つなガキ」は「つながるハガキ」より命名したとのことでした。

「世代によって利用するツールが異なるのだから、各々が使いやすいツールを使うべき」という考えにより、若者は「アプリ」「Web」、高齢者は「電話」を利用し、「郵便」がその橋渡し役となります。

また、「はがき」に「続きは電話」で、という記載をすることで、「ツールをつなぐ」ことができ、アクション体験型の新しいはがきサービスも実現できます。電話へつなげることで、はがきでは伝えきれない細かな感情も的確に伝えることができます。

どのチームも5分のプレゼンでは足りないくらい内容が濃い発表です。
それぞれに審査員からの質問も飛び交い、非常に盛り上がりを見せてくれました。
そしていよいよ各賞の表彰となります。

第四部:表彰式

ソースネクスト賞

まず「ソースネクスト賞」は、「どこでも年賀」チームの受賞です!
ソースネクストのソフトを使い放題の「超ホーダイ 3年分」が人数分贈られます。
川竹氏は、特にこのアイデアに強く関心を寄せていました。
審査員の方含め、年末年始は忙しい人が多いので、本当にこのサービスが実現したら助かる方も大勢いると思います。


freee賞

続いて「freee賞」は、「つながき」チームの受賞です!
「クラウド会計ソフト freee」の3年分のチケットが贈られます。
世代によって生じるコミュニケーションツールの違いを、無理に埋め合わせるのでなく、郵便を利用してお互いの交流を見事に発展させる このアイデアは、若原氏より非常に高く評価されました。
プレゼン方法のインパクトもあって、見事受賞です。

マイクロソフト賞

続いて「マイクロソフト賞」は、「Thanksgiving day」チームの受賞です!
マイクロソフトのクラウドを利用できる「クラウド無料チケット3年分」が人数分贈られます。
増渕氏は海外文化を広める活動にも興味を示していました。
日本にも感謝の気持ちを伝える習慣を作り、はがきと音声を掛け合わせたこのサービスがいずれ海外で逆輸入的に流行ったら、 すごく面白いですね。

Twilio賞

そして「Twilio賞」は、またまた「つながき」チームの受賞!
名刺や書類などをスキャンし、データとしてパソコンやスマートフォンで管理できてしまうという優れものの「富士通モバイルスキャナScanSnap ix100」が贈られます。
Twilioのシステムを見事に活用し、小出氏の考えていた郵便と電話の結びつきや、世代間で発生するコミュニケーションの壁にアプローチする斬新なアイディアがまたも受賞しました。

優秀賞

さあそして最後の「優秀賞」は・・・「どこでも年賀」チームの受賞でした!
PAPIRS利用時に使えるクーポン10万円分の贈呈です。
法人向けに開発していくにはまだ改善の余地がありそうとは語ったものの、一般向けのサービスとしては、クオリティが高く、ユーザーのニーズに応えるような画期的なアイデアを、西村氏は非常に高く評価しておられました。
昔とは違う、全く新しい郵便のかたちが期待できます!おめでとうございました。

今回審査員の方々には、非常に豪華な賞品をご提供いただき大変感謝しております。
最後は日本郵便の西村氏に締めの言葉をいただき、この度のアイデアソンは無事閉幕いたしました。

おわりに

表彰式後は会場に飲み物やピザをご用意し、ご参加いただいた皆さんとの懇親会を行いました。時間の許す限り、交流を広げられたことと思います。

今回デジタルポストでは初めてのアイデアソンを開催しましたが、普段は思いつかないような斬新なアイデアの数々に大変刺激を受けました。
また、アイデアソンによって、発想する力のトレーニングや多様な人々との共創活動という非常に効果的な体験ができることを実感しました。
また、このたびはたくさんの方にご参加いただき誠にありがとうございました。

今後とも皆様に楽しんでいただけるようなワークショップを企画したいと思っております。

アイデアソン審査員の皆様


小出 範幸氏
株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ
SMB事業本部 Twilio事業部 事業責任者

西村 哲氏
日本郵便株式会社
デジタルビジネス戦略室 課長

増渕 大輔氏
日本マイクロソフト株式会社
デベロッパーエバンジェリズム統括本部 エバンジェリスト

川竹 一氏
ソースネクスト株式会社
技術戦略室 執行役員

若原 祥正氏
freee 株式会社
執行役員
<イベント開催・協力>
木曽氏
株式会社サムライインキュベート
http://samurai-startupisland.asia/
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